理系のための研究ルールガイド
まずはマイルールを決める
- ルールは時代に沿って変わる。
- 法律や規則は守る。正しいサイエンス、正しい倫理のもとに動く。
- 自分でルールを決めて愚直に従う。ウィルパワーの節約。
- 人によってルールブックが違う。
- ルールとグレーゾーンを認識し、従うかすり抜けるか判断しチャンスをつかむ。
- 不条理なルールでも守って挑戦を続ければ、変わるかもしれない。
- 全ての人に合理的なルールはない。それでもルールにのっとって挑戦する。
研究者の基本ルール
- ルールを守る。あいまいなルールも守る。時間厳守。
- サイエンスではエビデンスが大切。エビデンスには反証可能性と再現性が必須。
- 不正を絶対にしない。ごきげんに生きるために。
- コンフリクト違反をしない。企業の研究者は所属を明らかにする。
- 倫理規定に従う。
研究生活のルール
- 業績=論文+特許で評価される
- 博士をとる。
- 世界で戦う。英語は必須。
- 「いまやらなくてもいいこと」=勉強をする。仕事と分ける。
- 不文律でも、だれもがしなければならないことはきちんとやる。
- 誰であれ礼儀と敬意、感謝をもって接する。
実験のルール
- プロトコール(概要、背景、仮設、器具、試薬、手順、条件)を詳細につくる。
- 実験ノートはラボの共有財産。得られた全データを印刷し貼る。デジタル不可。
- 備品や試薬などラボ運営はチーム単位で行う。
- 動物実験は規則を参照する。
- 企業、組織との付き合い方は契約次第になる
論文のルール
- 新規性と有用性が大事。未発表のものを1回だけ投稿する。二重投稿はダメ。
- 英語論文の構成通りにかく。
- 論文を書く前にジャーナルと投稿区分を決める。
- 特許を出願してから論文を出す。
- 共同研究に送る人員は優秀な人を選ぶ。選ばれたらチャンス。
- 文の構造をまねるのはいいが、当然コピペはダメ。半分入れ替えとかも論外。
- 引用の定義を確認しておく。
- コンフリクトの最終確認をする
- 論文はリバイス(訂正)のために戻されるし、却下もされる。
- リジェクトされた論文はほかのジャーナルへ投稿できる。
特許のルール
- 論文より前に出す。ルールが変わりやすい。
- 企業にいるなら特許は会社のもの。
研究費のルール
- やはり業績≒IFの高い論文が重視される。
- 不正はダメ。
学会と研究発表のルール
- 自分の専門にかかわる学会に所属する。自分の専門性を明らかにできる。
- 学会、集会は社交場なので参加すべし。
- 発表時は大きな声で、目を見て話す。
- 講演を聞いたら質問を1つはする。
- 原稿の依頼、査読を断らずに引き受ける。
マスコミとネットのルール
- 情報の発信は科学者の義務。
- プレスリリースは広報を通す。
- 取材の依頼は媒体や企画を確認し、広報に申請する。
- 論文で使った図表は使用不可
危機管理のルール
- なにか試して不安な時:不安や問題を一つずつリストアップする
- 法律違反かどうか、困ったらノーアクションレター制度で確認。
- 他人の不正は自分が被害を被らない+マクロ的に問題なければ無視
- 手続きを踏んでルールをしっかりと確認する。
さいごに
両利きの経営【書籍の要約】
両利きの経営
既存の資産・既存の成熟事業(強みの事業)・組織の能力を深化し、有効活用する
同時に、必要に応じて新しい強みに作り替える、探索・開拓する
深化:継続的な改善とコスト削減が重要な成熟企業で競争しながら、
探索:新しい技術やビジネスモデルを探索する
成熟事業と新規事業
①戦略的意図
非効率でもリーダーや上司クラスが納得できるような根拠をもって説明する
②経営陣の関与と支援
経営陣が戦略的意図とビジョンを徹底的に伝える
③分離と統合を両立した組織構造
成熟部門の資産や組織能力を使える新規部門を分離新設する
④共通のアイデンティティ
探索事業と深化事業の協力を取り付ける共通のビジョン・価値観・文化が必要
会社人生は「評判」で決まる【書籍の要約】
評価と評判
短期的な評価より長期的な評判の方が影響が大きい
自分の役割に合った自己主張と自己融和
リーダーがメンバーの顔色ばかり窺っているのでは信頼されない。
若手が自己主張ばかりで周囲の意見を聞かないのでは受け入れられない。
評判を上げるには
他者への十分な配慮ができる人
一人一人との関係を大切に
労力をいとわない「実行力」の人
同じことの反復でも修行・試練として乗り越える
自分にとって良い偶然を発生させる確率を自身の行動によって高めるために、
同じ事を繰り返して持続する力が大切
本質的な役割を正しく認識し、果たせる人
組織における役割を理解し、役割に徹すること
直感と論理をつなぐ思考法【書籍の要約】
ビジョン思考とは
論理・戦略から始めない+ただの直感や妄想では終わらない
自分が描く未来への妄想から始めて、具体的な形へ落とし込み、周囲の人を納得させる
妄想⇒知覚⇒組替⇒表現の順。
妄想する
個人が自らの関心にもとづくビジョンを明確にして、
妄想と現実のギャップを認識し受け入れて初めて、
ギャップを埋めたいという動機づけができる
実現性を度外視した妄想「ムーンショット」も言葉にすると現実が加速するかも
世界を複雑なまま知覚する
感知:ありのままによく見る
解釈:絵で考えて、絵で描きだす、落書きをする
意味付け:言語化する。画像と言葉を往復する
組み替える
出してからどう磨き上げるかが勝負
他の人に見せてフィードバックをもらう、生まれたアイデアを加工する
表現する
表現することは始点であり終点。試作品をつくる表現のプロセス。
成果物を前にしながら議論を行い、再度より完成度のたかい試作品を作る。
具体化とフィードバックを繰り返す。
・先に、まず褒めてくれる人、新し物好きな人、ノリのいいひとのスケジュールを抑える。
・テキストではなく、一瞬で伝わる絵を用意する
Unlocking Creativity【書籍の要約】
創造力を妨げる思い込みとその対策
①過程
×分析⇒計画⇒実行
〇すぐ行動⇒検証と学習⇒修正した行動⇒…
②基準
×自分の弱みの改善、手近なライバルに目を向ける
〇自分の強みを磨く、外の異なる分野から洞察を得る
③予測
〇アイデアは熟成期間≒テストを通して少しずつ修正し手を加えられる期間が必要
〇目の前の機会に集中し、観察し、情報を得て、学習し、他にない体験を生み出す
④構造
〇チームで働く環境、行動規範、業務内容の設定
〇対人リスクをとっても安全であるという確信の共有
〇意見を出せる、疑問を投げかけられるような心理的な安全性
⑤集中
×マルチタスク、中断の入る環境
〇シングルタスク、集中できる時間と場所
×集中し続ける
〇適度に集中と非集中を切り替える≒歩く、音楽を聴く、問題を寝かせる
⑥反論
×反論役がいないor反論役がいつも同じ、メンバーの反論者が1人
〇反論役がいる、メンバーの異なる人が反論する、メンバーの2人以上が反論する
知的生活の方法【書籍の要約】
自分をごまかさない
知的正直を貫く。わかったふりをしない。わからないことに耐える。
自分に忠実に、わからないこと、できないことに向き合い続けて、
わかるようになる、できるようになる、達成することで真の喜びが得られる。
読書家たるもの
読んでよかったと思う本を身の回りに置き、1~2年おきに読み直す。
繰り返しに耐える本が自分の古典となる。
時間
毎日同じテーマについて何時間もずっとやって、長期の休暇以外は1年中ずっとやる。
一方で、ひとつひとつタイムリミットを決めてとりかかる。タイムリミットを過ぎたら諦めるのも賢さ。
コウスティング:知的な努力をやめて、一時的に無努力の状態に戻ること
(偉人には胎内退行や幼児体験への退行していた人もいるが)安眠が知的生活の基礎。